2008年1月


         年 頭 所 感



                社団法人 日本ボディビル連盟
                   会 長  玉  利    齊

 明けましてお目出度うございます。
 今年のスポーツ界の最大の話題は8月に北京でオリンピックが開催されることだと思いますが、ボディビルはまだオリンピック種目になっていないだけに一日も早く参加種目になることが世界のボディビル界共通の熱い願望です。
 ウイダー前会長の後を受けてIFBBの新会長に就任したラファエル・サントンハ会長もボディビルの方向性を@オリンピック種目に参加すること。A健康なライフスタイルの確立に寄与すること。の二つを明確に指示しております。
 オリンピック種目になる為の条件は色々ありますが、一つは世界中でどれだけ多くの人がそのスポーツにとり組んでいるかと言う普及の問題です。 この点からボディビルを見るとIFBBは現在約170ヵ国の連盟が加盟していて他のスポーツ競技団体に比べて決して引けをとりません。
 もうひとつはスポーツとしてどれだけ評価されているかと言うことですが、これは中々難しい問題で評価する人の観点によって異なることもあるでしょうが、要はスポーツとして成立する為には競技ルールがしっかり確立されていることと競技団体にそれを運用する態勢があるかと言うこと、さらに競技者にそれを守る意識が行き渡っているかと言うことにつきると思います。
 この様な立場に立って現在の世界のボディビル界の現状を眺めると、ボディビルの普及の状況はスポーツ競技と言う面だけでなく健康づくり、つまりフィットネスとしての愛好者迄数えれば膨大な数になるでしょう。
 しかしスポーツ競技としての評価または社会的な信頼度から見ると今一歩の感があります。
 IFBBは1986年からドーピングテストをルール化し、その第1回のドーピングテストを実施したのが
1986年に東京で開催された男子世界選手権大会からです。
 JBBFはこの第一回のドーピングテストの実施を担当いたしましたが、以後2008年の今日に至るまで、全ての国際大会で日本選手は一人も陽性者を出しておりません。
 このことは日本のボディビルがレベルの高い極めて健全なスポーツとして発展しつつあることの証明と思われます。
 残念ながら世界各国のボディビル連盟は国際大会で陽性者が続出しております。
 つまり、ボディビルが洗練された文化の香りのあるスポーツとしてより、まだいたずらに筋肉の巨大さのみに酔いしれることを求める傾向を示すものでしょう。
 今年はその意味で力強さと美しさを人間の肉体で表現する芸術性の高いスポーツとしての評価を世界的に確立する為に、日本のボディビル界が役員も選手も一体となって世界をリードする姿勢を示すべき年と思われます。
 皆様のご協力を心からお願いする次第です。