2003年1月
   会 長 メ ッ セ ー ジ


       新 春 の ご 挨 拶


                   社団法人日本ボディビル連盟
                     会 長  玉  利    齊

 明けましておめでとうございます。
 身も心も爽やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 今年のボディビル界は、昨年実現したアジア競技大会への参加を機軸としてスポーツ競技としての評価を高める方向に活動することが最優先することと思われます。
スポーツ競技として評価を高める為には、ボディビルが単に筋肉の巨大さだけを誇示する見世物的興味の対象としてでなく、ルールを守りマナーを尊ぶスポーツとして社会の多くの人々に夢や感動や活力を与えるスポーツ文化としての形成を目指すことだと思います。
 ボディビル競技は、筋肉を逞しく鍛え上げ、それを美しく表現するスポーツ競技であることを選手は勿論、指導的立場の役員も審査員もトレーナーも深く自覚することが肝要です。
 筋肉の逞しさ、つまりその為の要素である筋肉の太さの獲得はボディビルダーにとって、欠くべからざる条件です。
 しかし、必要条件であっても必要十分条件では決してありません。太さに負けない位、全身のバランスや姿勢が重視され、さらに表現能力としてポージングやマナーも厳しく採点されるのがボディビル競技です。
 太さだけに意識がとらわれるとル―ル違反であるドーピングに迄行きかねない恐ろしさがあることを忘れてはなりません。
 ボディビルが追求する筋肉は、人間としての美しさが感じられる筋肉であって、決して動物的であったり、ロボット的な筋肉ではない筈です。
 スポーツは、あくまでルールの中で自らの努力と能力を駆使することに意味があり、手段を選ばぬ力の発揮はスポーツ文化の否定です。
 さて、昨年、アジア競技大会に参加する為にJBBFは日本オリンピック委員会の承認団体に認められましたが、オリンピックムーブメントへの協力が顕著であったとして他の新規団体が一律50万円であったところ、170万円の助成金を交付されました。12月には、承認団体から1ランク上の準加盟への昇格を委員会で決議され、3月の理事会で正式決定される予定です。
 
日本体育協会への加盟申請も既に終え、承認を待つ段階です。
 ボディビルは、今日迄どちらかと云えば町の中のスポーツとして自らの努力で道を切り開いて参りましたが、オリンピックムーブメントの一員として、より多くの人達と共感を分かちながら前進してゆく段階になって参りました。
 また、生涯スポーツとしては、益々進展する高齢化にともなって増加する生活習慣病への対応は勿論、もろもろの心と体の健康づくりに果たすボディビルの役割は大いに期待されます。
 ボディビルトレーニングの原理は、肉体は使わなければ衰え、適度に使えば発達することにあるのですから、一歩進めて健康づくりの知識と技術を深めればボディビル原理の応用は限りなく広いものになると思われます。
 厚生労働省が現在進めている「健康日本21」と云う国民運動も、要は治療より予防を重視し、そのために日常生活の意識を変革して、より健康的な行動の実践で健康寿命を延伸しようと云うものです。
 その意味では、ボディビルのマスターズの大会は、競技として形態の勝負を争うだけでなく、
60才台でも70才台でも、心がけによっては、元気に活動できる溌剌とした肉体を維持できる見本としての価値があります。
 事務局も、新年から事務の効率化と円滑な事務処理を図るため、事務処理改善の専門技術者である大塚嘉幸氏(群馬県ボディビル連盟会長)に事務総長に就任してもらい、事務局長には、清水泰治氏に引き受けてもらいますので、皆様のご協力をお願いする次第です。
 今年も、皆様と共にたゆまぬ努力を続ける所存ですので、ご指導ご支援を宜しくお願い申し上げます。